
Linuxに向いた作業を考える
2020-05-14
Linuxに向いた作業
Windows、Mac、LinuxなどのOSにはそれぞれ得手不得手があります。向いている分野・裾野が広がっている分野がある一方で、やってできないことはないけれども手間がかかる分野があります。
今回、Linux Debian10をデスクトップPCにインストールしました。Webアプリケーション、ネットワークアプリケーションの開発環境を整えるため、Debian10をインストールし、Webアプリケーション開発を目的として、プログラミング環境を整備しました。
比較対象1 : Windowsの特徴
Windowsは事務系、製造系に強いOSです。事務・経理・財務・資産管理などの事務処理や、製造業の設計・生産管理分野でよく使われています。
コストメリットに優れた大量のWindows搭載PCが市場に出回り、エントリーからハイエンド層までコストと性能要求の双方を満たすWindows PCが標準的に使われるようになりました。
オフィスソフトウエアはもとより、CAD・CAM・制御監視ソフトウエアまで、そして最近では、デザインやマルチメディアの分野でも、Windows PCをメインターゲットとしたアプリケーションが増えています。
Windows OSは、コンピュータウィルス対策、高頻度のWindowsアップデート、インストーラーのレジストリ管理、ライセンス認証の複雑さ、OS再インストールの難しさ、モバイル機器との連動性の難しさなど、Windows PCの採用を敬遠し、ブラウザベースのWebアプリケーションを採用する企業も増えているのが現状です。
比較対象2 : MacOSの特徴
Mac OSは、その開発の経緯から、デザイン・マルチメディア・Web分野に強いOSです。
AppleのMac製品は、ハイエンドからミドル層までをターゲットとしており、クリエイティブ領域やWeb開発などの分野で多く使用されています。
多くのデザイン、マルチメディアをターゲットとするアプリケーションがMac OSをベースに開発されてきました。
使えるフォントや、マルチメディアの直感的な操作感、iCloud同期などMac OSでならない、できない理由もまだまだ多くあります。
しかし最近では、ハード面(CPU・グラフィックボード・RAM・ストレージ)から見たカスタマイズ性・自由度がWindows PCに比べて劣ることや、Mac OS専用のアプリケーションがWindowsに移行し、Mac版と比べて遜色ない状況が続いていることから、Mac OSでなければならない理由は無くなりつつあります。
さらにdockerによる仮想環境、OSプラットフォームによらないパッケージ管理方法の提供もあって、Mac OSで開発しなければならない理由は少なくなっているのが現状です。
Linuxのメリット・デメリット
比喩的に言うと、Linuxはまだまだ敷居が高いOSです。
コミュニティの方々の努力のおかげで、インストールとグラフィカルインターフェースはとてもやさしくなっているものの、細かいセットアップやOSの維持・管理を行うにあたって、高い技術水準が要求されます。
また用途によって様々なディストリビューションがあり、LinuxでChromeが動作することから、かなりのWebアプリケーションがLinuxで扱えるようになりました。
クラウドアプリケーションによるスマホ・タブレット・各種携帯端末・IoT機器との情報連携や、Windows、Mac OS以外のChromebookやAndroidが普及の兆しをみせ、オフィスなど汎用用途でのWindowsやMacからの乗り換えも少しずつ進んできました。
Linux Ubuntuへの移行
Ubuntuは、Linux Debian系のディストリビューションです。UbuntuとCentOSは、Windowsの乗り換えとしてよく紹介されていることから、いずれは乗り換えを考えていました。
実際にWindowsからの乗り換えを意識したのは、最近のアップデートによるWindowsの動作不安定が原因でした。Windows PCを使用していたところ突然固まってしまう現象が春先に頻発したため、Windowsが起動している間に、Ubuntuのインストールディスクを作成しておきました。
試験的にデュアルブートで運用したところ、Ubuntuでは安定運用でき、使用感に戸惑うこともなかったことからLinux環境に完全に移行しました。
PCハードウエアとUbuntu 20.04 LTSの相性
実際に運用し始めたところ、PCハードウエアとUbuntu20.04 LTSの相性問題が発生しました。ブート時間が長い(60秒程度)、IMEエラーが発生する(ibus、Mozc)といった問題が発生しました。
コマンドdmesgでKernelの起動状況を確認し、PCのBIOS設定を修正したり、カーネルに従いPC構成を変更しましたが改善しませんでした。
KernelとPCの相性関係と判断して、他のディストリビューションに乗り換えるべく、Debianのインストールを試しました。
Debian 10.04による安定運用の実現
Debian 10.04は比較的安定して動作させることが出来ました。デスクトップ環境は、KDEでもGNOMEでもなく、Cinnamonとしました。
まとめ
もともと私の使用用途ではWindows PCでなければならない理由はなかったため、WindowsからLinuxへ用意に乗り換えることが出来ました、
またMacBook Proを並行して使っていたのですが、Webアプリケーション開発、ビデオ編集機の用途もLinuxに移行予定です。Mac OSは2020年秋にはMac OS Big Surに移行して大きく変化するそうです。またApple Mac自体がIntel CPUからARMに変わっていくなど、今後のMacを巡る状況にも目が話せない状況です。
今後ARMベースのミドルクラスPCが出た場合、PCを巡る状況が大きく変わる可能性もあり、目が話せない状況と考えています。